115:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:11:54.75 ID:XVB8s0iW0
彼の「創造」は理論上限界がなく、
彼自身を上回る力すらも創ることが可能だった。
スパーダのように真の「分身」としてナイトメアを造り出していたら、
魔帝の武は遥かに増していたはずだった。
それのみならず、スパーダのように己を実験材料にするほどの姿勢があれば、
「創造」の力によって魔帝の可能性はまさに無限大であった。
だがそうした可能性は、
魔帝が自ら封じてしまっていた。
言うなれば、魔帝にとって最大の敵はエーシル=ロキではなかった。
己を唯一無二の存在とするその傲慢さ、
彼の性格そのものが、彼のこれ以上の飛躍を妨げていた。
そして魔帝自身はそれに気づこうともしなかった。
果てしなく傲慢ゆえに。
こうして魔帝の試みは失敗した。
封印して完全に切り離してしまった時点で、
ナイトメアは延命装置としてはもはや機能しない。
当然のごとく新たな武力も得られない。
彼はこの手法についてはもう諦め、
他のナイトメアの原型器たちも全て封印し、あらゆる作業を取りやめた。
またこうした魔帝の頓挫を知ったアルゴサクスも、
同じ失敗を危惧してこの手法を用いるのは保留した。
そして両者は次なる手段を模索して、
今度は人間界に目を向けはじめた。
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