4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/25(金) 23:01:32.85 ID:DZbW6XUkO
「でも、次からは起きてる時にして欲しい」
「……恥ずかしいから、無理」
寝てるからこそ出来て、言えることもある。
「じゃあ、今度は僕が切るよ」
「……私の足は臭いんでしょ」
「まさか。誰がそんなことを」
あんたよ、あんた。あんたが言ってたのよ。
「大丈夫。少しくらい臭くても平気だよ」
「だから、臭くないって言ってるでしょ」
「うん。じゃあ確認させてね。くんくん」
シンジが私の足を嗅ぐ。征服感に震えた。
「うん……アスカの足の匂いだ」
「ミサトのよりはマシでしょ?」
「ミサトさんのは父さんより強烈だから」
(あーあ。あとでミサトに言いつけてやる)
「じゃあ、切るよ」
「……シンジ」
「大丈夫。痛くしないから、安心して」
怖かった。だから手を握って、目を瞑った。
「ほら、痛くない」
パチンッ。
「こうやって切るんだよ」
「……上手いじゃないの」
「マリさんのおかげだよ」
「他の女の話をしないで」
パチンッと、シンジのほっぺを軽く叩いた。
「痛いよ、アスカ」
「あんたが悪いの」
悪いことだと痛みでわからせるのは教育だ。
「僕は痛くしてないのに」
パチパチ軽快に。シンジは優しく爪を切る。
「私は……不器用なのよ」
私はコネメガネみたいに器用じゃないけど。
(それでも私が1番、あんたを……愛してる)
「終わったよ、アスカ」
「っ……ふ、ふんっ。ご苦労だったわね」
ふっと吹きかける吐息の甘さに身悶えした。
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