【ポケモン】あなたと過ごす最後の日【LEGENDSアルセウス】
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/17(木) 13:06:36.31 ID:tgweQ+Xjo
「すべてのポケモンを元の生息地に返しているわけではない。彼女が捕獲してきたポケモンの中には、すでにこのコトブキ村を故郷のように思う個体も大勢いる。そしてそんなポケモンたちと家族のように一緒に暮らす人々も、もうこの村では珍しくなくなった。すべてのポケモンと彼女なりに対話し、『本来あるべき場所』に返しているのだろう」

そう説明するシマボシを含め、調査隊の面々はショウの選択を尊重していた。ショウは所持するほぼすべてのポケモンの所有権を一度調査隊に移し、今後も調査の参考にしたいと博士が依頼したポケモンや、村の人々と共に暮らすことを選んだポケモン以外を、毎日少しずつ元の住処に戻すことに「協力」していった。

だがカイはもう、いつものようにショウの手伝いを申し出ることはできなかった。彼女が「この世界」との繋がりを絶とうとしているようで、怖くてたまらなかった。

ショウが時空の裂け目から、はじまりの浜に落ちたというあの日。あの日から始まった長い長い物語の「終わり」。それは異変の解決でもポケモン図鑑の完成でもなく、すべてのポケモンを手放すということだったのだと、ひとりで痛感していた。


あれだけ仲が良かったカイが突然現れなくなったことについては、ショウも思うところがあったのだろう。ある日カイのもとに、ショウのムクホークが手紙を届けに来た。

「次の満月の夜 群青の海岸 砂の手にて 一緒に遊びませんか」と、それだけが記されている手紙。

カイがその文面に目を通すのを見届けると、ムクホークは一瞬だけカイの目を見つめ、いつもとは違う方向へと飛び去って行った。

確か、ショウが調査隊の入隊試験で捕まえたころからの相棒だと聞いたことがある。

あのムクホークも、もう戻ってこないような気がした。


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