【ポケモン】あなたと過ごす最後の日【LEGENDSアルセウス】
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/17(木) 13:12:42.47 ID:tgweQ+Xjo
「……本当に……帰っちゃうの」

「……」

「そんなの、わたし信じられない……嫌だよ……」

「……まだ、決めてませんよ。行かないかもしれません」

「……」

「今度行ってしまったら、きっと……もう二度とこっちには戻ってこられない。そんな気がするんです。だから慎重に考えてます」

「……そうだよね」


ショウはそう言ったが、カイには薄々わかっていた。

行くかどうかをまだ決めていないなら、すべてのポケモンを手放すなんてことはしない。ショウはもう、心の中で「行く」と決めているのだ。

だがその一方で未練も残っている。一度行けば二度と戻って来れないところに、後ろ髪を引かれるような思いで行くわけにはいかない。だからひとつひとつの未練と向き合い、自分なりに自分を納得させてきたのだろう。

ショウがカイの胸に額をこすりつける。カイは頭巾の奥にある長い髪を撫で、もう一度強く抱きしめた。

この感触は嘘じゃない。この温度も嘘じゃない。この少女は確かに今ここにいると、そう思えるのに……このまますうっと腕をすり抜けて、空の向こうに消えてしまいそうな儚さを、ショウに感じずにはいられなかった。


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