11:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/08(火) 22:49:25.73 ID:gAjlLna3O
そして転機はまたもや突然に唐突に訪れた。
「もしかしてうちのお父さんに恋してる?」
「な、なにを仰いますか!?」
月日が流れ。私は足繁く彼女の家に通い、彼女の父親と親交を深め、次第に惹かれていった。そしてその淡い恋心を彼女は看破した。
「まあ、うちのお父さんは素敵だからね」
何も言えねえ。若いし。格好良くて優しい。
少なくとも、クラスの男子にはない魅力を感じた。私はどうやら年上好きだったらしい。
「そういうことなら応援してあげようか?」
「え? い、いいの……?」
「流石に今すぐアタックしても望み薄だろうから、大学卒業後にまだその気があるなら私がなんとかしてお父さんを説得してあげる」
「で、でも……」
「もちろんそれまでに私を捨てたらこの話は無しだから。それまで大事にして貰うから」
いつから彼女はこの壮大な計画を考えていたのだろうか。実行に移したのが高校に入ってからだとしても、いったいどれほど前から。
私はどれほど前から彼女のお義母さんになる予定だったのだろう。ともかく、ともあれ。
「それまで、じゃないよ」
「え?」
「そのあともずっと、私たちは一緒だよ」
そう言うと彼女は嬉しそうに微笑みながら。
「そっか。もう鈍感な幼馴染じゃないんだ」
もしも計画が上手くいって実を結べば私たちは本当の家族になれる。優しいお父さんみたいに私は甘やかさない。口煩いお義母さんになって躾けてやろう。その未来が楽しみだ。
真っ先にあの下品な嗤いかたを直してやる。
【気付いたら彼女のお義母さんになっていた件】
FIN
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