長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」(再・改)1(ネギま!×とある禁書)
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34:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2022/01/29(土) 02:04:55.87 ID:VLY7mJ0Y0

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「うわぁー…」

ほんの少し前、村上夏美は、うっとりと聞き入っていた。
それは、隣で手を繋いでいる千雨も同じ様子だ。
ファミレスを出た後、アリサ以下三人組は夜の公園を訪れていた。

ギリシャ遺跡を思わせるオブジェ付の石造り強めの公園で、
石段のちょっとした丘を上ると池がある。
池の畔で、夏美は美しいメロディーを聴いた。
それは、まだメロディーだけだったが、
紛れもなく人の心を震わせるARISAの歌だった。

に、しても、このメロディーでムードは最高潮だ。
シスターがちょこちょこ一緒にいるのもこうなると可愛らしいぐらいで、
見た目には、アリサとウニ頭が全くもって実にいい雰囲気を醸し出しているとしか言い様がない。

夏美はいつしか天を仰ぎ、その頭の中では、
自分がもうちょっと大雑把なツンツン頭と夜の公園で雰囲気を出している構図が急速に具体化する。
あ、駄目、と言うそのシーンは、後一歩の所で、ぐいっと引っ張られる手の感触にぶち壊される。

「へ?」

踵を返す千雨の必死の形相。
見ると、池が洪水を起こしていた。

「はいっ!?」

夏美は叫んだが、足は勝手に動いていた。伊達にあの夏休みを生き残った訳ではない。
その経験からも言えるのだが、洪水と言うにはちょっとおかしい。
そもそも、あの池が洪水を起こしている時点でおかし過ぎる。

一言で言えば水も竜巻。それも、巨大な水の塊が池の中から噴出し、
そして生き物がのたうって鞭打つ様に襲いかかって来ている。
洪水と言われても近くに高台は無い。そこそこ高いオブジェはあるが上る時間も無い。
とにかく二人は一度オブジェの石柱にしがみつく。


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