【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 16巡目
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470: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2022/02/20(日) 01:30:24.99 ID:ax0+G6MB0
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ワイズ「ほ……本当に! 本当にありがとうございました!!!」
アイナ「気にしなくていいですよ別に、でも……これは忠告ですけどもうあんな所に立ち寄ったらら駄目ですよ」
――ぶんぶんと頭を下げて何度も何度もお礼の言葉を言う。もしあの時ベルフェとかいう情報屋にお金を払えなかったら……僕は。僕は今頃――おおっとこれ以上はいけない。死んでしまいそうだ。
僕の代わりにお金を払ってくれた彼女――アイナさんはジーっとこっちを見ている。何だこの生き物は、みたいな目で見られている。
真っ赤なポニーテールで何処か大人びた雰囲気のお姉さん。出来る大人って感じだ。うんうん。
アイナ「――では私はこの辺で。今度はちゃんとバイトでもしておくんですよ」
ワイズ「あ――」
それでは。そう呟いて踵を返していってしまう――いや、駄目だ。右も左も前も後ろも分からない、今にも地雷を踏んでしまいそうな僕を助けてくれた恩人――アイナさんに、何のお礼も出来ずに……そんなのは駄目だ!
神の身体とかいう良く分かんない使命もあるけれど――とりあえず今は!
ワイズ「待ってください!!!!!」
アイナ「……何ですか、私は」
ワイズ「貴方は恐らく僕の命を救ってくれた恩人! それなのに何もできないなんて――ちょっと僕は嫌だ!」
……彼女の眉間にしわが寄る。早く離れたい、関わりたくない。そんな表情だと一瞬で分かる。けど――ケジメくらい許してください! お願いします!
アイナ「……じゃあ何? さっき払ったお金を払ってくれるの? お金持ってないんでしょう? だったらとっとと――」
――――何でもします!!!!!!
アイナ「――は?」
ワイズ「お金はないけど身体はあります! 口もあるし手もあるしちょっと自慢の脚もあります羽もあります! 何が出来るか分からないけど何かは出来ると思います! なので――あのお金分アイナさんの頼みを何でも聞きます!」
宜しく! お願いします!!!
――僕はもう一度、頭を下げた。
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