【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.2
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220: ◆vqFdMa6h2.[saga]
2022/01/26(水) 23:01:25.31 ID:IcRhkOje0

「……やっと……着い……た……」

図書館にたどり着いたとき、もはや下腹部の痛みは感じなくなっていた。
痛みとは別の、生暖かく突き刺すようなものが全身に通い始めている。
私の腹に突き刺さった矢から血液に載せて全身に行き届こうとしているそれは、直感で分かった。
遅効性の【死】だ。
死が、今まさに全身に回ろうとしている。
持って後数分、いや、一分にも満たないかもしれない。

「……はぁ……はぁ……」

それでも意地と執念でなんとか体を動かした重たい扉をなんとか押し開けて、わずかな隙間から図書館に侵入する。
そして山積みになっていた本の中から、その一冊だけを手に取った。
もはや視界すらも霞んでいたけど、それが私の探していた一冊だというのはなぜだかすぐに分かった。
誰にも読ませられない、一冊。私から漏れ出る液で汚して、侵して、使えなくする一冊。
その本を左手に携えて、もう片方の手は銀の柱に当てた。私の腹を突き破るそれを握れば、腹の肉と破れた臓物とが、ゴチュッと静かに喚く。



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