13: ◆kBqQfBrAQE[sage saga]
2021/12/26(日) 23:18:05.97 ID:4Xl2PJ5H0
「はあ……」
ネイチャは大きく息を吐いた。
その溜息は、駅に着いてトレーナーと離れたときのものとは異なっていた。
その後も市場を歩いていると、声をかけられては同じやり取りを繰り返した。無論、ポスターについても話題になった。事情を知らぬ無垢な店の人々は、嬉々としてネイチャの可愛らしい姿が大きく映ったポスターを彼女に指し示す。嬉しくもあるが、ネイチャにとっては恥ずかしさの方が十二分に勝った。当たり前だが、商店街の人々には罪はない。咎を受けるべきは、彼女に何も知らせず、あのような恥ずかしいポスターを作ったあの男である。
「トレーナーさん、後で会ったら……」
すぐにでも責め立てたいが、彼は少し離れたレース場で教鞭をとっている。ネイチャは虫の居所が悪かった。
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