10: ◆kBqQfBrAQE[sage saga]
2021/12/26(日) 23:13:55.53 ID:4Xl2PJ5H0
「旦那じゃなくてトレーナーさんね。今日は仕事で小倉レース場なんです」
「かーっ。こんな遠い場所でこんな別嬪なねーちゃん置いて仕事っちゃア、いけん男やなあ」
魚屋はため息をついて肩をすくめる。
そうだそうだ、とネイチャは心のなかで頷いた。
「それじゃあ、今日は何しに? 探し物?」
「いやあ、小倉は久々だったから、ちょっと寄りたくてね。それに、いつもレース前に連絡くれたりしてたから、そのお礼にも行きたいな、と思って」
「なあに、水臭いこと言ってんじゃないよ。ったく、泣かせるなあ。俺たちはねーちゃんから見返りが欲しくて応援したわけじゃねえ」
「そうよ、みんなねーちゃんのこと応援したいと思ったけ、応援したんやから」
おう、そうだ、と周りから声が聞こえる。
「みんな……ありがとね。ううん、ありがとうございます」
ネイチャは胸が熱くなりながら、深々と頭を下げた。
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