【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 15巡目
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155: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/12/24(金) 00:31:49.42 ID:8m+04qy90
ワイズ「…………分かった……ベルフェとは、別れるよ」

短い時間にしっかりと考えて考えて考えて――僕は、ベルフェと別れることを、決断した。

僕の命を救った悪魔と、僕の命を奪った悪魔とこの国でもう分かれると……僕は、決断した。

ユウナ「ワイズ……っ!」

決断と同時にユウナにもう一度抱きしめられる。ありがとう、ありがとう……分かってくれてありがとう……! そう何度も何度も呟きながら、僕の頭を撫で繰り回す。

ワイズ「ユウナ……」

ユウナ「それじゃあもうあの悪魔の事は忘れようね……セブンスアビスとももう関わらないようにしよう。それでゆっくりと安全に……神の身体を集めよう。危険がないわけじゃないけど、ぼくとドロシーがワイズを守るから……もっと強くなって、もう死なせないから」

ワイズ「……うん。でも、最後にベルフェに挨拶だけ――」

ユウナ「――――駄目」

ワイズ「えっ?」

ユウナ「駄目、駄目に決まってるじゃん……! もうワイズはあいつとは関わらないの……! それにもし別れの挨拶なんかしたら絶対無視して付いてくるに決まってる……!」

だから、明日の朝。海国に行く船に乗ろう……! ペアリスも明日の朝の船に乗る様に約束してたから……!

ワイズ「…………で、でも」

ユウナ「でもじゃないよ、ほらもう寝よう……? 今日は疲れたよね、ぼくも疲れたよ……じゃあお風呂入って一緒に寝よっか! 此処のお風呂地味に広いし、ドロシーも呼んで三人一緒にお風呂入ってベッドでスヤスヤと――」

ワイズ「いや――いや、うん。そうだね……今日はそういうのも良いかもね。今日で砂国も最後だし……というかドロシーさんは何処に居るの?」

――僕はもう決断したんだ。ユウナの前ではっきりとベルフェとは分かれると言った、だったらもう……取り消しはしない。

目の前で嬉しそうに笑う彼女の前でこれ以上話題を伸ばすのは……良くないよね。だったら……この話はこれで終わりなんだ。

ユウナ「えっ!? わ、ワイズがこういうのに乗ってきた……!? ワイズはムッツリだからお風呂に入りたくても一回は断るはずなのに……!」

ワイズ「一体僕をどういう目で見てるんだよ……!?」

ユウナ「あははごめんごめん! よぉしそれじゃあドロシーも呼んでこよう! 一緒にダンジョンの疲れをきれいさっぱり洗い流そう!」

――後悔がないわけじゃない、もっとうまくやれたんじゃないかと――思わないわけがない。でも今は無理だったんだ――いくら可能性があろうとも、タラればは意味がない。

正直今後一切ベルフェと会わない……何て、「彼女」が許すわけないけど。とりあえず今は、お別れを言おう。

――――さようならベルフェ。本当に……ありがとう。


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