【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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◆/4adlfiarI
[saga]
2022/06/11(土) 18:39:22.18 ID:6vdyD1i9O
「芹沢トレーナーっ……!?」
彼の後ろには、少し日に焼けた肌の、ゆるいTシャツ姿の少女がいた。……ウマ娘?
「いやいや、無粋だったな。俺も連れがいる」
彼女は私をじっと見ている。噂には聞いたことがある。褐色の肌にツリ目気味の目。短めの黒髪。全ての特徴が噂通りだ。
多分彼女が、ブリュスクマンだ。
「……どうしてここに」
「いや、ゆっくり読書でもしようかとな。実は家がこの近所でね。そうしたら、お熱いシーンを見てしまったというわけだ。
まあ、俺も客観的には未成年者を連れ歩く怪しげな中年だからな。脅せる立場にはない」
「彼女がブリュスクマン、か」
「……Sir, can I speak to them?」
「いや、いい。お前は日本語まだ慣れてないだろ」
「……Yes, sir」
風祭さんは芹沢トレーナーをじっと見ている。芹沢トレーナーは余裕の笑みだ。
「彼女は寮に入ってるはずでは」
「いや、特例で俺が面倒を見ている。まあ見ての通り、会話もまだ不自由だからな。
もちろん、お前らのようないかがわしい関係じゃないから安心しろ」
「……俺たちもまだそういう関係では」
クククッと芹沢トレーナーが嗤う。
「あー、みなまで言うなよ。甘酸っぱすぎて胸焼けしそうになったからな。
まあ、俺とコイツが一緒に住んでいるのは秋川の若作りババアとURAの最上級幹部しか知らない。お互いに秘密を抱えた、というわけだ」
「……互いに黙っていろ、というわけか」
「その通り。まあ、俺の方は探られて困ることは何一つないがな。面倒は嫌なんでね」
彼らがこちらに近付いてくる。妙な緊張感で、私はその場から動けなくなった。
その緊張感の源は……ブリュスクマン。とてつもない圧迫感と威圧感。
こんなウマ娘なんて……初めて見た。
すれ違うその時、芹沢トレーナーが真顔で告げた。
「……『健太』に行ったな?」
「……!!?何でそれを」
「時間は経ってもあそこの臭いは強烈だからな、服にその残滓が僅かに残ってる。
女連れで豚骨、それも『シャバ系』に行くのはまず考えにくい。……天王寺が『チートデイ』の先として紹介したか」
「……そこまで分かるのか」
「あいつの手口は分かりやすいんだよ。そして、天王寺と組んだということは、お前らの手口も見えた。『逃げる』つもりだな?
だが、コイツに小手先の細工は通用しない。ま、精々頑張ることだな」
ポン、と芹沢トレーナーが風祭さんの肩を叩いた。
そしてブリュスクマンは……
「I`ll divestate you」
それだけ言って、カフェへと消えていったのだった。
第13話 完
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