【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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63:名無しNIPPER[saga]
2022/01/08(土) 22:20:47.53 ID:0x9fhWilO

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「ややっ!ここが六本木ですか!!」

バクシンオーがキョロキョロと辺りを見渡す。待ち合わせはミッドタウンの1階。時間より少し早めに着いてしまったようだ。
ファインモーションは、リッツ・カールトンにいるらしい。私にはあまり縁の無さそうなホテルではある。

エントランスから、2人の女性の姿が見えた。1人は正装のファインモーション。もう一人は背の高い、黒いスーツに身を包んでいる。……ウマ娘か?

「お待たせしました!」

「おおっ!ファインモーションさんっ!こんばんはっ!!」

スーツのウマ娘は、険しい目で私を見つめている。何か、気に障ることでもしただろうか?

「お疲れ様。彼女は?」

「あっ、彼女はSPのハリィ。外出する時は、いつも一緒なのよ」

「…………」

まだ私を睨んでいる。これはやりにくい。

「私はトレセン学園のトレーナー、天王寺定光です。よろしく」

握手しようと手を差し出したが、「フン」ととりつく島もない。

ファインモーションが「むう」と頬を膨らませた。

「いい加減にしてよ、ハリィ。男の人が苦手なのは分かるけれど」

「……お言葉ですが殿下。男の勧める店、それもラーメン店などロクなものではございません。行って後悔してからでは、遅いかと」

「天王寺トレーナーはいい人よ?ボディビルの世界では、世界的にも有名な方なのに」

「そんなことなど、私は知りません。とにかく、この男が何か妙な真似をしたら、腕の1本や2本、へし折ってご覧にいれます」

はあ、とファインモーションが溜め息をつく。

「ごめんなさいね。彼女、男性が苦手なの。とても有能なSPだし、ウマ娘としても大きなレースを幾つも勝っていたのだけど……」

「過去の話です。何より、殿下の姉上には、一度も勝てず仕舞いだった」

「でも最後まで諦めず食らいついた。だからお姉さまはハリィが大のお気に入りなんだけど……。
あ、ごめんなさい!ラーメンだったね。ここから近いのかな?」

私は頷く。

「ここから3分も掛からないよ。じゃあ、行こうか」

ハリィの険しい視線を背中に受け、私は歩き出した。すぐに、店の目印になるドラム缶が見えてくる。

「……ドラム缶ラーメン?」

「実際にドラム缶では作ってないから、安心してくれ。では、入ろう」




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