【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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505: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/04/10(日) 21:56:37.49 ID:XKG7bTshO

芹沢さんの後ろから、小柄な褐色の肌をした少女がついてきた。……ウマ娘?

場内がざわついた。誰だ、あれは。


「静粛っ!!」


秋川理事長の声と共に、芹沢さんがマイクを持つ。

「新任の……芹沢達也です。君ら新入生を中心に受け持つことになった。よろしく頼む。
俺にはトレセン学園を、世界で最も優れたウマ娘養成学校とする義務がある。そのためには一切の妥協を許さないから、そのつもりでいてほしい」

一度緩んだ空気が一気に張り詰めた。芹沢さんが、傍らの少女に目をやる。

「初めから脅しをかけるつもりはない。だが、世界は広い。ウマ娘として頂点に立とうとするのは、生半可なことじゃない。
それを体現するのが彼女だ。ブリュスクマン、挨拶を」

「イエス、サー」

芹沢さんに代わってブリュスクマンと呼ばれた少女が壇上に立った。

「私が紹介に預かったブリュスクマンだ。海外に留学していたので、言葉が堅いのはすまない。
芹沢さんとは、遠征していた香港で出会ってからの付き合いだ。世界最強の名を確たるものにするためにここに来た。よろしく」

鋭い眼光は、彼女が只者ではないことを教えていた。秋川理事長は渋い顔をしている。

再び芹沢さんがマイクを取った。

「彼女が、恐らく現時点での世界最強だ。君たちは彼女を越えていかねばならん。……もちろん、越えさせるつもりもないがな」

ニヤリ、と芹沢さんが笑った。

「圧倒的強者の存在に絶望するか奮起するか、それがウマ娘の運命を左右する。ここに来たからには覚悟を決めろ。俺からは、それだけだ」

彼の視線が、私に向いた。……これは、どういう意味だ?

「……感じ悪い人ですね」

三田村嬢が呟いた。芹沢さんは前々からああいう物言いをする人だったが、なぜ最初からヘイトを集めるような真似をする?

壇上から降りた彼が、私の隣の空いた席に座った。

「久し振りだな、天王寺」

「……どういうつもりです」

「言った通りの意味だ。今は式の最中だ、積もる話は後で聞く」



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