【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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◆/4adlfiarI
[saga]
2022/04/04(月) 00:01:07.52 ID:cFAEt57wO
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店の外に出ると、シリウスシンボリが私の背中を軽く叩いた。
「美味かったぜ、天王寺トレーナー。なるほど、舌は確かみたいだ」
「テストには合格したようだな」
「アンタの評判は聞いてるが、信頼に足るかどうかは目で見ないとな。これから話す内容は他言無用だぜ。その前に、場所を変えるか」
「むぎとオリーブ」近くの雑居ビルに、シリウスシンボリは入った。6階で降りると、分厚いオークの扉に「Seraphim」と刻まれているのが見えた。
「……オーセンティックバーか。未成年が入れる所じゃないが」
「酒は飲まねえよ。そもそも下戸でね。飲みたきゃどうぞご自由に」
バーに入ると、一枚板のカウンターの向こうで初老の紳士がグラスを磨いていた。
薄暗い明かりが重厚な空気をさらに際立たせている。
「お嬢様、お久し振りです」
「縦山、話は聞いているな」
「無論でございます。その前に、何か飲み物は。お嬢様は『いつもの』でよろしいでしょうか」
「ああ。トレーナーは」
「ギムレットを頼む」
マスターは無言で会釈すると、ギムレットの準備に入った。氷を削るシャクシャクとした音が響く。
「お嬢様、か。実家は『セキュリティーサービス』と言ってたが」
「ごく表向きの表現では、な。実際はシンボリ家の『影』だよ」
「影?」
シリウスシンボリが頷く。マスターがシェイカーを振り始めた。
「知っての通り、ルナ……シンボリルドルフはシンボリ家の次代頭首だ。そしてシンボリ家本家は、ウマ娘界では最大の家の一つ。
メジロ家は実業の世界で強いが、政界ではシンボリ家の方が強大だ。URAにも数多く人を送り込んでいる」
「そこまでは知っている。君の実家もそうなんじゃないか」
「うちは分家でね。一応親父もURAの幹部だが、その役割は普通とは違う。
URAのトップにいるシンボリ家に仇なす者を、陽に陰に葬る。まさに『裏稼業』ってわけだ」
自嘲気味にシリウスシンボリが嘲笑った。
私の目の前に、ギムレットのグラスが置かれる。
そして、マスターはオレンジ色の液体が入った瓶を取り出し、シリウスシンボリのグラスに注いだ。
「これは?」
「『野菜ジュース』、だよ」
どこか含みがある言い方だが、私はそれを追及しないことにした。
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