【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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34:名無しNIPPER[saga]
2021/12/29(水) 22:17:02.75 ID:PfUYSjUvO
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「運転手さん、ここで結構」

タクシーを歌舞伎座の前で停めてもらう。暮れの銀座の夜は、忘年会に向かうサラリーマンで賑わっていた。
私たちは灯りで彩られた表通りから離れ、静かな小道を歩く。

「銀座、来るのははじめてです!ラーメン屋さんもあるのですね!」

目をキラキラさせながら、バクシンオーがスキップするように私の後ろをついてくる。三田村嬢とライスシャワーはというと、まだ少し戸惑い気味だ。

「ミシュラン一ツ星って……割烹、ですか?」

「いやいや、値段は少し高めのラーメン屋ですよ。ミシュランはラーメンも美食として評価しておりましてな。東京では確か、一ツ星ラーメン店は3店あるそうです」

三田村嬢の後ろに、ピタッとライスシャワーがくっついている。彼女も銀座は初めてなのだろうか、どこか所在なさげだ。

「ライス、ラーメン好きだよ。どんなラーメン、なの?」

「そうだな……ジャンルを言うのは難しいな。塩でも醤油でも、豚骨でも味噌でもない。つけ麺でもない。『食えば分かる』としか、言いようがないな。
ただ、洋食党の君には、きっと気に入ってもらえるはずだ。……と、見えてきたぞ」

行列はざっと20人弱、といったところだろうか。夜ならば多少は並びが少ないと思っていたが、それでもかなりの人数だ。

「ややっ?どこにお店があるのですか?」

「そこの角だよ。まあ、見た目は小料理屋にしか見えないだろうな。
三田村トレーナーとライス君には少々悪いが、しばし待とう。待つことに伴うストレスも、チートデイには有効なのだ」

バクシンオーの頭にまた?が浮かんでいる。

「はて?どういうことですか??」

「チートデイとは、苦痛からの解放のためにある。それによって身体を騙すのだよ。
簡単に言えば、我慢して精一杯やったトレーニングの後の水は美味いだろう?それと同じだよ」

「むむ……分かったような、分からないような……でもとにかく美味しいラーメンなのは分かりました!!」

行列はゆっくりと進む。ある程度進むと、店内の券売機で食券を買うよう促された。


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