668: ◆cUhskXlNTw[saga]
2022/02/26(土) 20:07:26.03 ID:FFe/sDU1O
男「そうか。……ま、喋りなよ。俺は壁だと思ってくれ」
彼女は分かりやすく逡巡したのちに、
うつむき加減で、話し始めた
ぶりっ子「……正直、あの子は私が育てたいと思ってしまいました。親に蔑ろにされた気持ちを分かってあげられると思ったからです」
男「うん。諦めるのはさぞ辛かっただろう」
ぶりっ子「ええ、ですが私はただそれだけの理由でそう思ったのではないのです」
男「そうなんだ。……一体どんな?」
ぶりっ子「私は私の体がいつまでもつのか分かりません。……だから、誰かを育てることで、私の足跡をこの世界に遺そうと思ったのです」
男「ふむ」
ぶりっ子「……それはあまりにも無責任でした。エゴで子供を育てれば、私の親と同じです。私がいつまで私なのか分からないのですから、あの子を残して逝ってしまうかもしれないのに。エゴです。エゴだけなんですよ」
男「………………」
ぶりっ子「そんな私に私は腹が立って……それが一番辛かったです。その場で泣き崩れるかと思いました」
男「そうか。それは辛かっただろう。だが、親なんてある程度のエゴを持っているものだ。そりゃあ、パーソナリティを損なうような考え方はよくないが、こんな子供になってほしい。立派な子になってほしい。……それくらいは普通の範囲だ。子供の生き方に求めないだけ、君は慎ましい」
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