73:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:17:34.94 ID:u50g9+A20
文香が出れなくなったことによって慌ただしかった舞台裏が、さらに慌ただしくなった。
フレちゃんたちは、応援をしてくれるといった。
74:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:20:27.51 ID:u50g9+A20
急いで着替えて、また振り付けのチェックに行こうとしたけど、タイムアウトだった。
舞台の裏に、私は足を向けた。今は曲ではなく、幕間のトークの時間。舞台の上では、アイドルたちが和気あいあいとした会話を続けていた。
75:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:23:50.23 ID:u50g9+A20
音が鳴り出すと同時に、スポットライトが私を照らし出した。
どんな演出なのか、当然私は知らない。
76:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:25:57.93 ID:u50g9+A20
曲調が早くなって、それに合わせて私の声音はさらに熱を帯びていく。
小さな間が入って、また曲のリズムが変わる。
77:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:27:27.40 ID:u50g9+A20
歓声とペンライトの波のはざまを、私は泳ぎ続ける。
78:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:29:56.25 ID:u50g9+A20
私は奏でた。自分自身への文を。
79:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:34:17.56 ID:u50g9+A20
舞台袖に戻ってくると、とたんに浮ついていた足元がはっきりと感じられた。
80:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:36:34.52 ID:u50g9+A20
「みんなで見てたんだけど、フミカちゃん、カナデちゃんに会いたいっていうからさ。でもまだ歩くの危なそうだし、そこでユッキーのひらめきです」
「あたしが椅子に乗せたまま連れてこうって。ほら、車いすみたいに!」
81:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:39:00.91 ID:u50g9+A20
緩やかに舞い上がった黄金色の落ち葉は、そのまま蒼い空に吸い込まれていった。
82:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:42:29.75 ID:u50g9+A20
ライブは、成功に終わったと考えてよかった。
嬉しいことに、私に対しても好意的な意見が並んでいた。
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