【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】
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811: ◆vqFdMa6h2.[saga]
2022/01/20(木) 21:27:10.19 ID:NxZO6r4R0
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【第1の島 ビーチ】


ルカ「おー、やってるやってる」


美琴は相変わらず海を背景にして一心不乱に舞い踊っていた。
でも、これまでとは明らかに違う。
自分をぞんざいに扱った、乱暴という言葉でひとくくりにできるようなそれではない。
自分の身を痛めつけることもなく、見るものが思わず息をのむ美しさを持った、
それでいて情熱と気迫とを感じさせるような……【美琴らしい】美琴の姿があった。


ルカ「おーい、美琴―」

美琴「……はぁっ……はぁっ……」

ルカ「……ハッ、相変わらずの集中力だな」


懐かしい。同じ事務所に所属していたころのことをつい思い出す。

仕事終わりに事務所に帰ると、レッスン室の明かりがまだついていて、
そこからはシューズとフローリングとが立てるイルカの鳴き声のような音が聞こえてくるのだ。
扉を開けると、一気に彼女の熱気がわたしを包む。
散らした汗と、上がる体温、口から洩れる息吹。
退屈な仕事で冷め切った私を一気に引き戻してくれるその瞬間が、たまらなく好きだった。

扉が開かれようとも、声をかけられようとも、彼女は気づかない。
その目は鏡に映る自分の動きを見るために、その耳は流れるBGMと自分の体の立てる音を聞くために。それ以外の用途の一切がそぎ落とされているのである。


ルカ「……しゃーねーな」


だから、私は彼女の隣で同じように踊るのだ。
パフォーマンスは、ライトが照らす全員を統合することで完成する。
最高のパフォーマンスを追求する美琴からすれば、同じ舞台に上ってきた人間を気にしないわけにはいかないのだ。


美琴「……ルカ、ちょっと鈍った?」

ルカ「ハッ、生意気言ってんじゃねーよ」


そこからは、ステージの幕開けだ。




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