カルネアデス・プリズム(名探偵コナン×竜とそばかすの姫)
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17:探竜唱 ◆2k5pFFm6nI[saga]
2021/11/11(木) 02:50:45.65 ID:bhK3+YVq0

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「あちらに見えますのがー、
西多摩市北部住民センターでございまーす」

何か思う所があったのか、道路に戻り暫く歩いていた一行の先頭で、
鈴木園子は開き直ったかの様に前方に見える建物を案内した。

「に、してはちょっとお洒落だね。ロッジみたいだ」

半ば林に埋もれる様に見える瀟洒な建物に、真純が感想を漏らす。

「元々のセンターが最終的に今の基準での利用が無理って事になって、
経営難になった地元企業から丁度いい物件を買い取ったって事よ。
本館がセンターで、別館のレストランは縮小して
食堂売店その他として第三セクターで運営してるって」

開いた門扉から敷地内に入り、
建物に向かう道すがら真純の言葉に園子が説明を加える。
それを聞いていた真純は、すっと制動の仕草で掌を差し出すと
丸で猫の様な足取りですすすっと動き出した。
真純が一挙に立木への距離を詰めた、と、思った時には、
立木の陰から飛び出した者が、
とん、と、真純に黒ズボンの腿を軽く蹴られて飛びのいていた。
次の瞬間、黒い塊が真純に急接近する。

「学生服?」

哀が呟いた通り、黒は学ランの上下だった。
ごうっ、と、真純と学ランが一迅の風の如く動き、
白いTシャツの上に袖だけ通された黒い詰襟の裾と
その上で額に占められた白鉢巻きの緒が翻る。
構え直した真純は、舞い上がっていた自分の帽子を左手でキャッチした。


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