31:名無しNIPPER[saga]
2021/11/13(土) 16:54:40.85 ID:u8RP97K8o
【ワリナル中立地帯 地獄の谷 東部】
魔王「……情けない。こんなところで朽ち果てているのか。無様な」
勇者の死体「」……
側近「女神の加護を受けているとはいえ、所詮は人間。こんなものでしょう。『奴等』に対抗出来るはずがありません」
魔王「だが、ここまで勇者達が弱いとは思わなかったぞ。まだ『奴等』の尖兵が来ただけだ。本隊はまだ到着してもいないというのにだ」
側近「失望なさいましたか? 人間の弱さに」
魔王「というよりも、我が先祖が恥でならんな。こんな雑魚を相手に、祖父も父も苦戦し、魔界まで撤退したというのだから。一族の面汚しだ」
側近「我等は魔界の『第三世代』です。たいして父君達は『第二世代』。時代が違いますから、そう責めるのは多少酷かと」
魔王「」ハッ
魔王「では何か、側近? 時代が違うから弱くても許されると? それで多くの兵を犠牲にしてもか?」
側近「そういう訳ではございませんが……」
魔王「覚えておけ、側近。弱いのは、この世で最も重い罪だ。強者に理由もなく殺されるのは、そいつが弱いからだ。弱い奴は文句すら言えない。誇りもなく、ただ虫のように逃げるだけだ。それを忘れるな」
側近「……はっ」
魔王「さて……ではそろそろ始めるか。『奴等』を全て殺し、この世界を救ってやろう」
魔王「魔界より連れてきた全部隊に通達しろ。『奴等』を残さず冥界に送ってやれとな」
魔王「『奴等』は破壊の化身だ。支配するには不向きだからな。人間どもを統治するのはその後だ」
側近「はっ!」
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