【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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943:名無しNIPPER[saga]
2022/02/12(土) 20:54:03.67 ID:2oOwGv630
「や、やった...」

搭乗者の心境を表すかのように座り込むADMだったが、RLTHは違った。シエラ=レオネはまだ戦いが終わっていないことを知っていた。

RLTHがレーザーで溶かし、アトラスのコックピットをこじ開ける。シエラ=レオネもRLTHのハッチを開け、拳銃をゼウスに向ける。

「やはり生きていましたか、長官」

「ふっ、今の長官は君だろう?」

ゼウスの瞳はまだ死んでいなかった。彼はあるスイッチに視線を移す。

「長官、やめてください。それを押そうとするのなら、私は貴方を撃たなくてはならない」

「君も知っているだろう。私は決めたことは必ずやり切る主義だと。ハハハ...この目でクソッタレが死ぬのを見れないのは残念だが、まあいい」

彼が見ているのは人類の悪意を結集したようなスイッチだ。

そもそもアトラスの運用方法とはどのようなものだったのか?絶大な装甲と破壊力のある武装を活用して、敵の戦線に穴をこじ開けることか?或いは動く要塞として防衛線を構築することか?はたまたその巨体によって敵国の兵士や市民の戦意を奪うことか?

そのいずれも違う。アトラス運用の核心はその動力源、核融合炉にある。アトラスはその強靭な装甲によって守られた歩く爆弾として用いられる機体なのだ。つまり、敵国の都市や重要地点まで確実に到達し、その後核融合炉を自爆させる。その事によって敵戦力の壊滅、或いは放射能汚染によって敵国の土地そのものを殺すことが目的だ。

そんな悪意の塊であるスイッチを、ゼウスは躊躇いなく押そうとする。

その瞬間、銃口から火が噴き、アトラスのコックピット一面に血が飛び散った。

「さようなら、長官。貴方を...尊敬していました」

シエラ=レオネは伏し目がちにそう呟いた。

一方、カズミはADMのコックピット内で泣きながらエヴァを抱きしめていた。

「良かった、本当に...!」

「お姉ちゃん...」


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