【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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881:名無しNIPPER[saga]
2022/02/05(土) 22:19:54.90 ID:6C0JGgcL0
45 拮抗

「それで...わかった。東の学校なら安全なんだな?分かった、ありがとう」

図書館の他に避難に適した安全な場所があることを同僚から確認するとアルトは電話を切った。

埃まみれの図書館の中を進んで、避難している人たちが集まっているところまで向かった。そこでは子供や老人、その家族が恐怖で震えながら身を潜めていた。

「みなさん、聞いてください!このままだとここは戦場になります!東の学校は安全なので、そこに移りましょう」

アルトの大声を聞いて皆が彼女に視線を移した。

「もう安全な場所なんてどこにもないんだよ!」

初老の男性が顔を赤くしながら怒声を張り上げた。

「そうよ...」

「もう俺たちは終わりなんだ...」

アルトはこうなるであろう事を予期していた。

「はぁ...死にたい人はご自由にどうぞ、アタシはあの子程優しくないんでね。だけど、少しでも生きたいって思う奴はアタシに着いて来い」

だからこそこの言葉は彼女の本心だった。

暫く沈黙が流れた後、1人の少年が立ち上がった。

「ボクは行く!」

「お、おい...」

少年を引き止めようとする男の声を無視して、彼は一歩踏み出した。

「このお姉ちゃんはここにいる間、誰よりも励ましてくれた!...それにボクはまだまだやりたい事がある!もっといろんな事を知って、色んなところに行って、それに、まだ何の夢も叶えてないもん!」

少年はぐっと拳を握りしめる。

「...パパと、ママの分までボクは生きたい!」

そんな少年の心の叫びに突き動かされたのか、他の人々も立ち上がり始めた。

「...なら、アタシについて来い」

そう言ってアルトは避難民たちを外へと連れ出し、学校への誘導を始めた。

そんな中、遠くの上空でビームを避けながら駆ける白い騎士を見てアルトは呟いた。

「そっちは任せたぞ、カズミ」

↓1
01〜30 被弾
31〜60 拮抗
61〜 撃破した


今日はここまで。


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