【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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801:名無しNIPPER[saga]
2022/01/11(火) 19:57:23.40 ID:mWcnGKE40
13 断られた

「コホン。すいません、取り乱しました。確かに特務機関は私に"絶対"見せてくれないでしょうね」

「なら──」

「ですが無理です。正直に言うと私はそのADMとやらの研究さえできればそれでいいんですが。ですが今は戦時中という事もあって国からの監視やら締め付けやらが厳しいんですよ」

「そんな...」

「こんな状態では貴女の要求を満たしてあげる事もできませんし、もしバレてしまえば恐らく私は一生PEM開発に携われなくなります。...ですので協力したいのは山々なんですが、今回の話は無かったことに」

「わかり、ました...」

カズミは電話を切ると深いため息をついた。

(まさかアテが外れるなんて...。こうなったらガーディアンオブエデンに用意してもらうしかないや。ゼウスさん達に居場所を知られちゃうし本当は嫌だったけど、そうも言ってられない!)

カズミはそう喝を入れると、再び電話をかけた。

「もしもし?」

「...お姉ちゃん」

カズミの言葉を聞いてアルトは思わず息を呑んだが、すぐに口を開いた。

「どうした、カズミ?」

なんて事ない、いつもの調子のアルトの返事を受けてカズミはどうして何も聞かないの、と言いそうになったがそれをグッと飲み込んだ。

「...私のせいでお姉ちゃんがブルトニアに追われるかもしれない」

「ブルトニアに?」

「うん。だから安全なところに──」

「それなら心配ない」

「へ?」

「今はガザレムの首都にいる、取材でな。流石のブルトニアもアタシのためだけにここに部隊は送らないさ。それにボディーガードも雇ってるしな」

「そ、そっか...」

それよりも、とアルトが続ける。

「父さんと母さんはいいのか?」

「それはもう考えてあるよ。準備が整ったらすぐに動くつもり」

「...そうか。最近は2人でゆっくり過ごしているらしいから、多分家にいるだろう」

「分かった。それじゃ──」

カズミはふと口をつぐんだ。今までにあった事を全て感情のままにアルトにぶち撒けたくなったのだ。だが彼女はそうはしなかった。

「気をつけてね」

「ああ。...カズミ、よく泣きべそをかいてたのに、成長したな」

「...うん。絶対に守りたい子がいるから」

「そうか...。とにかくアタシのことは心配いらない。それじゃあな」

そう言うとアルトは電話を切った。

「あとはADMだけ...」


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