【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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673:名無しNIPPER[saga]
2021/12/08(水) 22:38:14.50 ID:YlTd32wT0
コンマ63 ボーナスなし

エヴァ 3→4 (大好きなお姉ちゃん!)


 

──中央大陸、とあるアジト──

薄暗い、しかし丁寧に手入れされた客室らしき部屋でゼウスが2人の人物と話している。

「それで、何のようですか?」

優しい笑みを携えたゼウスの質問に、眼鏡をかけた男も笑顔で返す。

「いえ、なに。貴方達が西方大陸に拠点を移すとの噂を聞きましてね」

「ああ、その事ですか。暫く中央大陸にかかりっきりだったので、そろそろ西方大陸でも活動を再強化しようかと思いましてね」

そうでしたか、と男は笑顔で答える。しっかりと目も笑っているが、どことなく不穏な気配が漂っている。

「ただ、貴方達への資金援助の条件が中央大陸での活動という事をお忘れではないか確認したかっただけですよ」

「ハハハハ、"我々"、ですか。それは一体どこを指しているんでしょうかね?」

ゼウスの言葉を聞いて、眼鏡の男の横にいた険しい顔の女性が口を開く。

「勿論セントラル・ソロニティに決まっていますわ」

セントラル・ソロニティ──ブルトニア勃興以前に中央大陸で権勢を誇っていた旧貴族達による反ブルトニアの秘密結社だ。
今ではその目的は他の犯罪組織と変わらないものになりつつある。内部には様々な派閥が存在し、複雑怪奇なパワーバランスを保持している。そしてそれ故に様々な組織や会社、国家との繋がりを持つ団体でもある。

「ああ、失敬、そうですよね。少し再確認しただけですよ」

そう言うとゼウスはコーヒーに口をつける。部屋は静まり返り、空調の音だけが聞こえてくる。

静寂を破ったのは眼鏡の男だった。

「では引き続き中央大陸でも活動すると、そう捉えて宜しいんですね?」

「勿論ですとも!」

「なら安心です。西方大陸の活動を強化されると言う事なら、我々も後日そちらに人を向かわせますね。何ならアジトもハイオネル・ファミリーかデームロファミリーを通じて提供しますよ?」

「いえいえ結構。ただでさえ多大な援助を頂いているのに、これ以上はとても」

「随分と殊勝な態度ですわね。西方大陸のこんな諺を知っています?『礼ある者こそ計あり』。一体何を考えていらっしゃるのかしら」

眼鏡の男が女の言葉を嗜めるように咳払いをした。

「これはウチのものがすいません。彼女は疑り深い性格でね」

「構いませんよ。それでこそ信頼できると言うものです」

「そう言っていただけるとありがたいです。ではそろそろ我々は失礼します」

そう言うと男は部屋を出た。続いて女も部屋を出ようとしたが、扉の前で立ち止まりゼウスに一瞥をくれる。

「そう言えばこんな諺もありますわ。『笑顔の者にこそ背中を向けるな』。我々は貴方がたをいつも見ていますわ」

そんな捨て台詞を吐いて、彼女は部屋を後にした。
それと入れ替わるようにライが部屋に入ってきた。

「あの人たち、いつ見ても信用できません。セントラル・ソロニティの代理人なんて名乗ってますけど、それも怪しいです」

「いや、セントラル・ソロニティの代理人なのは確実だよ。まぁ、背後に誰がいるかは彼らが今回派遣してきた人間とPEMからして透けて見えるけどね」

「そう、ですね」

「それでも彼らは十分役に立つ。今はまだ、ね」


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