【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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562:名無しNIPPER[saga]
2021/11/26(金) 20:10:13.78 ID:Tb+taLtC0
カズミは日記を閉じると、近くの机の上に置いてあった紙に視線を移した。

「何だろ?色々数字とかが書いてあるけど。書いてあることも難しくてよくわかんないなー」

何かの設計図のようだがカズミには何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。分かったのは船の図面が描かれていることと、反重力という単語だけだ。

「うーん、つまりこの設計図に書かれた船に反重力装置がついてるってこと?でもこんな規模のもの、作れるはずないよ...」

カズミはしばらく考え込む。

仮に作れたとして、ソラ・テックの本社は海と空、両方に対応した船だったということだろうか?それともそもそも海ではなく空を飛ぶためのものだったのだろうか?

「それなら日記に書かれてた新天地は空にあるってこと?」

しかし惑星エデンの空に人が住めるような場所があるとは聞いたことがない。もしかするとさらにその上、宇宙と呼ばれる場所にあるのかもしれない。

どちらにせよ惑星エデンの空は非常に危険な場所だ。ある程度の高度に到達すると飛行物体を狙い撃ちするように気流が荒れ、必ず墜落する。

「お姉ちゃん、面白いものみつけたよ」

エヴァによってカズミの思考は中断された。

「どれどれ?」

エヴァが見つけたのは巨大な球を中心として、その周囲に大きさの異なる幾つかの球が描かれた図形だ。

「はぁ、これも意味わかんない。字は掠れて読めないし」

カズミは訳の分からない図形を机の上に放り出すと、再び周りを探り始めた。

「手がかりなし、か」

両手を腰に当てながらカズミはため息をついた。

「そろそろ進もっか。よくわかんない資料はほっといても大丈夫でしょ。それより記者を探さないと」

そう言うとカズミはエヴァの手を引いてその部屋を後にした。

しばらく廊下を歩いていると、先の方から声が聞こえてきた。2人はすぐに物陰に隠れる。

「おい、あの女は何処に行った!」

「分からない」

男と女が荒々しい口調で話している。

「ったく、データはあいつが持ってるんだろ?さっさと見つけないとゼウスさんにどやされるぞ」

「ああ。シュタイナー達は西側を探してる、私たちはこの先を調べよう」

「ああ!」

遠ざかっていく2人の足音を聞いてから、カズミは頭を出して様子を窺う。

「ゼウスってことは、あいつらガーディアンオブエデンだよね。どうやってここに...?」

するとアダムから通信が入った。

「カズミ、悪い知らせだよ。船が大きすぎるせいで分からなかったけど丁度僕らと反対側の位置にPEMを数機確認した。レーダーに識別番号が映らなかったから、少なくとも特務機関じゃないね」

「私もそいつらに丁度あったとこだよ。ガーディアンオブエデンが記者を探してるみたい」

「ふむ。捉えようによっては朗報かもね」

「どういうこと?」

「少なくとも記者は奴らの手にないんだろ?なら無理に戦う必要はないよ、相手より早く見つけて逃げたらいいさ」

「...確かに!じゃあ急ぐよ!」

カズミは通信を切ると、エヴァを連れて足早に移動し始めた。

↓1
01〜50 敵に遭遇
51〜 無事に通過


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