【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
1- 20
538:名無しNIPPER[saga]
2021/11/20(土) 20:54:04.07 ID:cJlSlNkm0
「...こんなところか」

時刻は深夜を回っているが、シエラ=レオネは自室で書類仕事を片付けていた。

「アダム、コーヒーを頼む」

「承知しました〜っと」

アダムの声と同時にコーヒーメーカーが起動する。

アダムも含め、特務機関がPEMに搭載しているAIは基地内の施設や備品にネットワークを介しての接続が可能である。

「ふぅ...」

出来上がったコーヒーを手に取ると、シエラ=レオネは香りを楽しむようにカップを顔に近づけた。

「悪くない。リリスが作るより深みのある香りだ」

「うへー、あんな真面目ちゃんと一緒にしないでくださいよ」

「普段は忙しいからな。効率性で言えば彼女が最適だ」

「かわりに遊び心はありませんけどね」

シエラ=レオネは微笑を浮かべながらカップに口をつけた。

「ところで、カズミの様子はどうだ」

「最高ですよ、最高!」

高揚気味のアダムに呆れながら、シエラ=レオネが口を開いた。

「...主観抜きで頼む」

するとアダムの口調は先ほどまでとは打って変わって冷静になった。

「そうですね...悪くないと思います。カズミが来てからADMの出力は右肩上がり、エヴァとの関係も良好ですよ」

「なるほど」

「それに彼女自身も操縦技術は上昇してます。もしかしたらいつか長官を追い越すかもしれませんよ?」

「ふっ、だといいが」

「カズミには元々才能があったんでしょうか?」

「どうかな。私には才能がないから、分からないな」

「またまたー。努力も才能のうちって言葉知ってますか?」

「努力は当然のことだ。それで、メンタル面はどうだ?」

「うーん、メンタル面は僕達AIの苦手分野ですから、正直なところ僕には分かりかねますね。今の所は大丈夫そうですが」

そうか、とシエラ=レオネは呟いた。

「成長といえば、カズミはまた胸が大きく──」

「それはどうでもいい」

コーヒーを飲み終えたシエラ=レオネは椅子に座ると、再び仕事の用意を始めた。

「それにしてもどうしてそこまで気にするんですか?勿論、2人は特別ですけど...」

「別に2人だけを気にしているわけではない。全ての部下に気を配るのは上司の仕事だ。とにかく、カズミとエヴァのことは任せるぞ。何かあればすぐに知らせろ」

「大船に乗ったつもりでいてください。それよりも少しは休んだらどうですか?」

「それなら私の代わりに仕事をしてくれるか?」

「あはは...体がないので無理ですね」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
957Res/497.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice