【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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503:名無しNIPPER[saga]
2021/11/14(日) 21:29:50.54 ID:2Vu4kzjH0
41 膠着

「空は駄目だ...!」

そう考えたカズミは、アブマットが再び戻ってくる前に地上に戻った。

「けど状況はかなり不味いまんまだよ!」

カズミが悪態をつきながら空を見上げると、旋回を終えたアブマットが彼女を狙っていた。

上空からとなると建物の陰に隠れるわけにも行かない。使いたくはなかったが、カズミはフライングボードを構えた。

レインボーバードの頭上を通り過ぎる際に放たれた弾は全てフライングボードが防いでくれたものの、もはや滑空もできないほどの状態になっていた。

再び突撃銃の銃口がレインボーバードを捉える。

「絶体絶命...!」

その時、突如アブマットの進行方向を塞ぐかのように複数の光線が奔ったかと思うと、そのうちの一本が胴体を貫いた。

そこにはカズミにとっては馴染み深い機体、ナルカミの姿があった。

「待たせたな、カズミ!」

「ガルー先輩!」

少し遅れて、クラックロードとダートの姿も見えた。

「流石は私たちの後輩だな」

「助かりました、間一髪でしたよ。ミツキさんは無事ですか?」

カズミの質問にオルデンリッジが答える。

「彼女なら特務機関が確保したセーフルームにいる、安全だ」

「よかった...」

そして何よりカズミを安堵させたのはADMも共に来ていた事。つまり、エヴァが無事だということだ。

「むかえにきたよ〜」

「いやー、間に合って本当によかった。僕の知らないところで死ぬなんて御免だからね、もう他の機体には乗らないよう頼むよ。さ、早くこっちに!」

アダムの言葉に従い、カズミはレインボーバードからADMに乗り移った。

「いやー、役人に賄賂を渡してPEMを持ち込んどいてよかったぜ」

「やったのはオルデンリッジだぞ。お前は何もしてないだろ」

「あはは...。でも、もう終わりですね」

「そうだな、そろそろ──」

すると、オルデンリッジの言葉を遮るように銃声が響いた。

「敵か!?」

銃弾が飛んできた方向にはアブマットの性能を全般的に高めた後継機であるカタラと、見慣れない黒塗りの機体がいた。

カズミは先手を打たれる前に黒い機体に向けてレーザーライフルを発射した。

「やった、直撃!」

レーザーは確かにコックピット部分の胴体に直撃した。

「...な、何で」

しかし傷一つとまでは行かないが、殆ど効いていなかった。

「何なんだあの機体は...どこかスパイヤーズに似ているが」

スパイヤーズと言えばバウエル・インダストリが開発した名機だ。総合的に優れており長年ブルトニア軍の主力として活用されていた。指向性エネルギー兵器の台頭により廃れた旧世代機ではあるものの、未だに使用されている。

「あれは...何処かの資料で見たことがありますね」

すると突然無線にミツキが割り込んできた。

「ミツキさん、どうやって!?」

「何やら見慣れない機体があったので、ドローンでその性能でも拝見しようかと。ああ、無線は暗号化されてましたが私にかかればないも同然ですね」

ミツキはさも当然と言った口ぶりだった。

「ああ、思い出しました。我が社のある開発チームがスパイヤーズの新型を作ろうとしていたんでした。ですがおかしいですね...確かにエネルギー兵器に対する防御を引き上げるとはされていましたが、あそこまでのものではなかったはず」


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