【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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452:名無しNIPPER[saga]
2021/11/08(月) 20:50:28.94 ID:vltBWIjl0
>>450
ありがとうございます。よければ今回もお付き合い下さい。


「うーん、綺麗な海!」

カズミは照りつけるような陽射しの中、真っ白な砂浜に水着姿でいた。

「うみはいってもいい?」

エヴァがカズミにそう尋ねた。

「もちろん!」

何故カズミ達がこんなところにいるのかと言うと、そのきっかけは数日前に遡る。

とある日のこと、大統領から特務機関に任せたい人物がいると告げられ、シエラ=レオネはその人物と話も兼ねてブルトニア国内でも屈指の高級レストランでディナーを摂っていた。

「君がシエラ=レオネさんか?」

大して子供と背丈も変わらない、しかし胸元まで伸びた髭を蓄えたその老人は遅れてやってきたことを謝りながら席に着いた。

「はい。あなたは...パウエル・インダストリの前社長、グラジオラ・パウエルさんでよろしいですか?」

「ああ。君は世間話は好きかな?」

「いえ」

「ハハハ、正直じゃな。では本題に入ろう。君と会う機会を設けてもらったのは他でもない、特務機関に頼みたいことがあるのじゃ」

目の前の老人が不用意に特務機関の名を口にした事に驚きながら、シエラ=レオネは周りを見渡す。

「安心しなさい、ここはパウエル・インダストリ傘下の会社が経営している。ここで話されたことが外に漏れることはない」

「...人の口に戸は立てられませんので」

「慎重なんじゃな、それも当然か、まあよい。それで頼み事なんじゃが」

すると老人は一枚の写真を取り出した。

そこにはメガネをかけ、マスカット色の髪を後ろで一つにまとめた20歳ほどの女性が写っていた。顔立ちは端正でどこか近寄りがたさも感じられる。

「ご息女のミツキ=パウエルさんですね」

「知っとるか」

「ええ、色々とお噂は伺っております。コストや採算を度外視した兵器をよく開発しているとか」

「うむ、ワシの血の影響が色濃く出ているようじゃな。その点に関しては別に気にしておらんのだが、問題は若さも相まってかあの娘は中途半端に有能なのじゃよ」

「中途半端、ですか?」

「うむ。例えば有能な経営者は既存の市場に変化を加えるときや、新たな販路を確保する際には関係各所に対する根回しは欠かさないものだ。むしろそうしないと不可能とも言える」

するとグラジオラはため息をついた、それもかなり深く。

「じゃがミツキはその自信家な性格も相まって、根回しなしに交渉を取り付けることができる。それはそれでいいんじゃが、しかし根回しがないと競合会社や関係者は不満を抱く事になる」

「関係者の協力や同意を取り付けることの重要性に関しては私もよく存じています」

「そうか。まぁ、つまり、娘はなまじ有能が故に強引に交渉を成立させ、周りのものから恨みを買ったということじゃ」

「よく聞く話ではありますね。それでその相手というのは?」

「それなんじゃが──」

ミツキが恨みを買ったのは?国あるいは組織を挙げてください。既存のものでなくてもいいですが、その場合は簡単な解説をお願いします。
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