【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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342:名無しNIPPER[saga]
2021/11/01(月) 21:13:20.82 ID:2/pS5XTL0
「その男はゼウスと名乗ったんだな?」

「はい」

救出部隊と共に特務機関の基地に帰還したカズミはシエラ=レオネに詳細を報告していた。

「そうか...」

やはり生きていたのか、カズミはその呟きを聞き逃さなかった。

「あの──」

カズミの質問を遮るようにシエラ=レオネが口を開く。

「それにしても奴らは実に皮肉な組織だな」

「ガーディアンオブエデン、ですか?」

「ああ。奴らの目的はメルクリウス採掘の阻止だが、それを達するための手段が他でもない、メルクリウスを最も消費するPEMを用いたテロなのだから」

「た、確かに」

「それで、他に報告は?」

「は、はい。えと、ADMと瓜二つな、ヘルミラーと呼ばれる機体を彼らは所持していました」

それを聞いて、シエラ=レオネの表情が微かに曇る。

「その機体なら良く知っている」

「そうなんですか?」

「知らないかもしれないが、お前が捕らわれている間に我が国のメルクリウス採掘地に対するガーディアンオブエデンの襲撃が頻発していてな」

思い返してみればアジトにヘルミラーや主力部隊が居なかったのはそれが理由かもしれないとカズミは思った。

「もちろん襲撃自体は過去にも何度かあったが、そのヘルミラーという機体は確認されていなかった。一体どこからあんな代物を引っ張り出してきたのか...」

僅かにだがシエラ=レオネの声の調子が下がっていく。

それも当然の話でカズミがいない間に襲撃されたメルクリウス採掘地は例外なく壊滅しており、ADMと同型だと推定されることから、早急に正体を特定するよう何度も大統領に催促されていたのだ。

「機体性能はADMと同程度か僅かに上だと思われる。つまり対抗できるのはADMだけだ。加えて...はっきり言うが、パイロットの腕はお前より遥かに上だ。恐らくは私よりも、な」

カズミは捕まっている時にイヴに言われた事を思い返していた。足下にも及ばない、確かにそう言われた。

「ガーディアンオブエデンとの戦闘、特にあのヘルミラーと言う機体がいる際は、戦局を左右するのは間違いなくお前だ、カズミ」

真っ直ぐと見つめられたカズミは返事をする。

「精進します!」

それを聞いたシエラ=レオネの顔が少し綻ぶ。

「ああ。では以上だ」


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