158: ◆dUKmCC1WQo[saga]
2021/10/13(水) 11:53:14.05 ID:KOS3LLato
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やれやれ……とんだことになっちまった。
簡単な仕事だったハズだが、結果は御覧の有様だ。
どうしてこの俺がこんな奇妙な女と生活しなければいけないのか。
この世界で何者にも依らないのが――紫雲鏡史郎の唯一の善ではなかったのか?
妖怪も人間も腐るほど見てきた。しかし神はどこにもいなかった。
それを俺はこう考える。
――『決別せよ』。これが俺がかつて信じた神の最後の教えだ。
愛は与えるものでも受け取るものでもなく、篝火のようにただそばにあるものだ。
この女が自ら篝火の薪になりたいというなら止めはしまい。
火の勢いが強ければ強いほど、俺は離れるだけなのだから。
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『妖怪と人妖』 →【コンマ】章 →【コンマ】−50節 (0より小さいなら1)
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