アルティメット寿司じゃんけん 番外編【安価】
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267: ◆R39XEzWXr6[saga]
2021/09/27(月) 22:29:08.42 ID:xoMMrbJe0
彼方「っ、ぐわああああッ!!」ズシャアッ

田中「がはっ……」ガクッ

部長「……勝ったァ!」

高菜「……っ彼方さんは負けてない! 負けたのは田中先輩ただ一人です! 田中先輩が足を引っ張ったから……」

彼方「……やめるんだ高菜。ラストの読み合い……例え田中が『重力場』を出せていたとしても、僕が『溜め』を選んでいた限りHPは残らなかった……僕はたしかにあの部長さんに読み負けたんだ」

高菜「うぅ……」

彼方「……悪いね田中。発破かけといてこのざまで」

田中「っ、その言い方はズルいぜ、彼方……」

田中(僕が足を引っ張ってたのは事実だ……何回かあった読み負け、どこかで読み勝っていれば……勝負の結果は変わっていたはず)

部長「悪いな中田君……いい所を奪ってしまって」

高菜「そ、そうですよ! 結局あの部長って人がすごかっただけで、中田さんが勝ったわけじゃありません! もう一度勝負するべきです!」

刀「あのなぁ……横でさんざ説明してやったろうが。最後のターン、部長さんにチャンスがあったのはそれまでに中田先輩の読み勝ちがあったから……この勝利は間違いなく部長さんと中田先輩、二人の勝利だ」

中田「勝った……タッグデュエルとはいえ、俺が、あの彼方に……!」

彼方「おめでとう……中田」

中田「……負けたわりには、余裕そうだな。俺としてはもっと悔しがって欲しいところだが」

彼方「ご期待に沿えず申し訳ない。けど、まったくショックはないのが本音だね」

中田「勝負を決めたのが俺じゃなくて、部長だからか?」

彼方「違う。元々君はこれぐらい『やれる』と思っていたからさ」

彼方「僕の行く先が見たい、僕について行きたい……その思いがあったからか、君は僕に対しては無意識に畏れを抱いていたのかもしれないね」

彼方「けど君はついに、僕の隣に立つことを望んだ……それがついに、君の才能を開かせた」

彼方「本当におめでとう……中田。君の僕への初勝利を、心の底から祝福するよ」

中田「……本当に、最後まで生意気な奴だよ、お前は」

中田「ありがとう、彼方……お前に会えてよかった。元気でな」

彼方「……こちらこそ。離れていようと、アルティメット寿司じゃんけんをしている限り……」スッ

中田「……? している限り、なんだ?」

彼方「いや……今の君なら読めるだろう。僕の『次の台詞』だって」

中田「……ああ。共に征こう、彼方」


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