405: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 21:11:58.30 ID:A2RWbPqvo
ぶりっ子「そうです。なにをやって金を稼いでいるのかは、ついぞ教えてもらえませんでしたが」
男「仕事すら教えてくれないのか。とんでもない親だな」
ぶりっ子「私もそう思います。で、私は両親に清楚にして品行方正であることを求められました」
406: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 21:35:22.69 ID:A2RWbPqvo
男「……今と矛盾してる」
ぶりっ子「そうです。私は教会でも自由を求めました。その内にシスターたちは私の状況に同情してくれるようになりました」
男「ほう」
407: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 21:47:02.76 ID:A2RWbPqvo
ぶりっ子「今の質問はフェアじゃないですから、ひとまず忘れて下さい。ある日、私のもとに一通の手紙がやってきました」
男「バレたか?」
ぶりっ子「いえ、私の父が死んだと言うのです。母親は私の幼いときに死んでいるので、これで私は独り身です」
408: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 21:59:09.91 ID:A2RWbPqvo
男「形見の品になるか?」
ぶりっ子「決してならないものです。そこには十二歳ほどの私が写ってしましたが、私の母はその頃には死んでいました」
男「んん?」
409: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 22:12:02.65 ID:A2RWbPqvo
男「っ……」
ぶりっ子「……っはぁ!……はぁ……はぁ……ううっ……私は、私って、一体なんなのでしょうか……?望まれた偽物ですらいられなかった、偽物の偽物……不出来な贋作に他なりません……」
男「……君は、偽物なんかじゃない」
410: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 22:25:21.04 ID:A2RWbPqvo
男「なるほど……」
ぶりっ子「私は間違った。私は失敗作で、私は今もあの世の両親に後ろ指を指されていて……かつての『私』は同じ姿ではしたない私を恥じている……」
男「……お前は……幻影、虚像と呼ぶべきものに囚われている。実際には存在していないもののために。ショックで壊された心の隙間に妄執が入り込んでしまったんだ」
411: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 22:34:24.00 ID:A2RWbPqvo
男「『剣』は何の為にあるか?」
ぶりっ子「……殺すためです。武器ですから」
男「間違ってない。だが、剣で人を守ってはならない道理はあるか?仮に職人のオッサンが怒鳴り込んできても、そんなのは使うやつの自由だ」
412: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 22:39:22.70 ID:A2RWbPqvo
彼女は平静を取り戻したようで、
流した涙も痕を残して乾いている
男「……すっきりしたか?」
413:名無しNIPPER[sage]
2021/10/17(日) 22:46:18.52 ID:yFvysMK70
そのセリフははっきり言ってキショいです
414: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/17(日) 22:50:45.05 ID:A2RWbPqvo
ぶりっ子「そのセリフははっきり言ってキショいです」
男「ひどい」
ぶりっ子「いや、人類の90%はそう思うはずですよ」
415: ◆cUhskXlNTw[saga]
2021/10/18(月) 00:20:47.57 ID:lMoRqUKOo
本日はここまでです
ありがとうございました
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