60: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/05(日) 22:23:35.91 ID:ufA6Tnbd0
そんな風に観察をしていると、わたしは先生と目が合う。
「────」
声が出そうになるのを抑える。
睨まれた。ただ何か怨念を持って睨まれたのとは異なり、見定めるような視線。たった一瞥されただけで、わたしの全てを見透かすような目だった。
気味が悪い。その一言に尽きる存在に、わたしは先生に対する認識を要注意人物として確定させる。
「えー、はい。それでは、まず皆さん。ご入学おめでとうございます。私は一年Dクラスの担任になりました伊藤弦と申します。えー、そうですね、この学校にはクラス替えがありません。つまり三年間、私がこのクラスの担任となります。えー、はい。よろしくお願いします」
見た目通りの、覇気の無い挨拶。終いには「よろしくお願いします」と頭を下げたところで勢い余って教卓に頭をぶつける始末。ゴツン、と音を教室中に響かせると、クラスの反応は二つに分かれる。
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