585: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/26(金) 01:42:29.98 ID:YgBFoyleO
確かに『社会貢献性』が他の項目と比べて少し弱かったと思う。それでも学年の平均55をずっと上回る値だけどね。
「ただ、こうして春宮様も参加されていると追いつこうにも追いつけませんね。引き離されないだけマシだと考えましょうか」
「あ、なんかごめんなさい」
「謝ることではありません。来年は生徒会に所属することも視野に入れておくだけです。その頃にはきちんとOAAの評価も出来ていると思いますし」
「きちんと、って?」
「聞いていませんか? 1年生の評価の約半分程度は中学校卒業時の成績を反映していると。まだ学校側も測れていない部分があるのでしょうね」
なるほど。それは聞いていなかった。
聞かないと教えてくれない、というのもこの学校らしい。知らないは一生の恥とも言うし、学校独自のルールについて疑問に思ったことがあれば聞くようにした方がいいかもしれない。
そんなことを話しながら手元の作業を進めて行く。
何の工夫も要らない草むしりのため、みるみると校庭から雑草が消えて行く。野球部とサッカー部の全員参加効果は絶大だった。
「この調子なら早めに終わりそうですね」
「そうだね。あ、東雲さん。もしよかったら、この後一緒にケヤキモールに行かない? 用事があるならまた今度でも構わないんだけど」
「シャワーを浴びた後でよろしければ、ぜひご一緒させて下さい。寮に戻って……いえ、それだと……」
「水泳部のシャワーなら使えると思うよ」
「それは助かります。どうにも暑いのは苦手で」
見た感じ、汗をかいているようには見えないけれど、ジャージの下はどうか分からない。
実際、わたしも長袖の下はやや蒸されて気分が良いとは言えない。日焼けを気にせず半袖で挑めたら良かったんだけど、なかなか色々な事情で難しい。
「急いでやっちゃおうか」
「はい。春宮様もご無理をなされぬよう」
約束を取り付けている間にも他の生徒の作業ペースは右肩上がりで、ほとんどが片付いてしまっている。ほんのあと5分くらいで終了の合図がかかると思う。
よし、もう少しだけ頑張ろうっ。
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