【安価】ようこそ実力主義の教室へ
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547: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/17(水) 22:12:07.55 ID:7WItTcwO0

◇◇◇

 夢を見る。
 海岸に佇むわたしと姉の姿。
 2人はじっと夕日の沈む水平線を眺めている。
 かくいう今のわたしは、海の方から2人を見ていた。俯瞰的な視点で、まるで映画のワンシーンのように第三者として。
 砂浜の方に2つの影が見える。子供達を呼んでいる。
 ……顔は見えない。背格好からして大人、男の人と女の人。お父さんとお母さんなのかな。顔くらい見せてくれてもいいのに。
 子供達は海、あるいは空に向かって何かを叫んだ後で大人の方に駆け寄っていく。何かに引っかかったのか子供のわたしが躓く。そして起き上がっては涙を流している。
 自分のことながら恥ずかしい。何もない砂浜で転ぶだなんて。寄ってきた姉と2人の大人はわたしの手を引いて去っていく。なんとも微笑ましい光景。
 ただ、わたしの記憶にはこんな経験は無い。
 忘れているだけ……にしては、なんとも奇怪な思い出し方。確かにノスタルジックで良い雰囲気の記憶を掘り起こせたけれど。
 わたしはほとんど意識を保ったまま海そのものの上で佇んでいた。海岸には誰も居らず、徐々に向こうが暗闇に侵食されていっている。わたしが立つ海が暗闇に呑み込まれるまでそう時間はない。
 振り返って、いつの日か見たと思う夕焼けを脳に焼き付ける。
 綺麗、美しい、写真に収めたい、絵に描きたい。
 そんな感情が胸の奥から湧き上がってくるのを感じて、わたしは闇に呑まれた。そこで意識はプツンと途切れる。


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