422: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/11(月) 22:19:53.14 ID:ZiOBOz660
さて、この後は……。
「正直に『王様』は手を挙げてください、と言っても挙げるはずありませんよね。メールを見せ合うというのもつまらないですし、ここはゲームで過ごすことにしましょう」
気を取り直した東雲さんが明るく提案する。
『王様』を抱えるCクラスとしても、特別試験について話し合うよりもゲームをしていた方がボロが出る心配が少ない。
辻堂くん以外の合意のもと、神宮くんが学校に対してトランプやジェンガを持ってくるようにメールで伝える。
5分後、視聴覚室へやって来た教師と思しき大人からその2つを受け取ると、早速どちらで何をして遊ぶか話し合いが始まる。
「ただ普通にやってもつまらないので、何か賭けませんか?」
「……そうだな。じゃあ1日1戦、最下位が正直に『王様』か『一般人』を言うってのはどうだ?」
「それは素晴らしいアイデアです。話し合いの場は今回も含めて8回。この場には12人いるので、毎回最下位が異なれば3分の2の正体が分かる訳ですね」
この場合『王様』を最下位以外にするため、わざと負けるという選択肢も出てくる。
しかしわざと負けるということはCクラスに『王様』が居ると安易に伝えるようなもの。そうなればわたし以外の2人の内、2分の1で『王様』を言い当てられてしまう。
かと言って、もう乗り気なみんなを引き止めることも出来ず。『王様』を抱えるクラスは何かと気を遣い過ぎなければならない。この先の2週間、胃が痛くなる日々が続きそうだった。
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