349: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/01(金) 22:56:21.10 ID:v4CAPZ5Z0
「好き」は気軽に言うべきでない言葉のひとつ。
ライクを意味する「好き」は多用しても問題ないが、ラブを意味する「好き」は人生で一度きり。たった一人、この人と残りの人生を添い遂げると覚悟をもって発する言葉だと思う。
「私は春宮さんと同じ考えの側かな。仕事の都合で同年代の美男美女と話す機会が多くあったけど、一部は取っ替え引っ替えで恋人を作ってたね。そして私は軽い男だな、とか軽い女だなとか思ってた」
「へー、どこもそんな感じなんだね」
「芸能人でも所詮は十代だからね。普通の学生より自分がカッコいい、カワイイって自覚している分、かなりタチが悪いよ。そういう軽い男の告白は容赦なく一蹴することにしているし」
わたしのように狭い地元の中学に縛られることなく、様々な学校、幅広い年代の人と絡む機会が多い彼女が言うのだから間違いない。
「軽くない男の子の告白は断ってないの?」
「少し迷ったこともあったけど、この人とは結婚までは行けなさそうだなって思って断ったよ。顔は悪くないし性格も悪くない。でも、たったひとつだけ。私が彼に興味が持てなかったっていう理由でね」
「……そっか。確かにそれは大切だよね」
互いに相手に対して興味関心を持ち続けることは長く付き合っていく上で必須だというのは賛同できる。
興味が尽きてしまえば、刺激の無い日々が続く。
それは惰性で生きているのと何ら変わりない。
部屋で携帯を触って過ごすのと大差ないと思う。
恋人でいる必要はないと、思い至るだろう。
考えれば考えるほど奥深い。
恋とは、結婚とは。
それを考えるのは、この未熟な頭では結論が出ない。
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