337: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/29(水) 01:20:06.17 ID:O9o61/1lO
【>>335
2-8:雨宮綾香】
いよいよ退学を賭けた中間テストを翌日に控えた日曜日。わたしは朝9時30分に寮のエレベーター前で雨宮さんと待ち合わせをしていた。
きっかけは十分な学力を有していると判断した金曜日。ケヤキモールまでお出掛けしようと誘ったところ快諾してくれた。
もちろん学校で悪目立ち? をしているわたしと居れば雨宮さんが人の視界に入る機会が増える。そのため短い時間、可能な限り目立たないようにすることを目標に行動することにした。
ケヤキモールの開店時間は朝の10時。よっぽどの理由がなくとも、開店待ちをする生徒は多い。しかし10時以降もまた、寮とケヤキモールを繋ぐ道には人の姿が絶えることがない。
どちらの方がリスクを抑えられるか考えた結果、開店前に寮側ではない出入り口から入ることで多少人目につかないよう立ち回る事が出来ると計画を立てた。
5分ほど待つと、雨宮さんが部屋から出てきた。それでもまだ待ち合わせ時刻の10分前だ。
「わ、早いね。待った?」
「ううん、ちょうど来たところだから。雨宮さんを待たせないように早く出てきて正解だったよ」
「そ。良い心がけね。感心感心。ありがと」
エレベーターの降りボタンを押すと、割と早く到着する。扉の先には2名の女子生徒。携帯の方を見て、こちらには目もくれていないようだ。
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