312: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/25(土) 22:33:13.64 ID:TuZ+rf/1O
まだ熱々なアップルティーを一口飲んだ後、持参していた勉強用具を広げる。
「ゆっくりしてていいよ。分からないところあったら聞くから」
「そう? じゃあお言葉に甘えて」
この後の部活動組の勉強会には制服で参加する予定だ。理由はひとつ、生徒会の業務帰りだとアピールするため。なんとなく忙しいイメージを付けておきたかった。
着替え直すのも面倒だとすると、やることは限られてくる。
パソコンでネットニュースを見るにしてもタイピング音とかマウスのカチカチとした音が雨宮さんの勉強を阻害する。携帯でゲームをして時間を潰すのも…。
そう考えていると、
「あー、これ邪魔だな」
雨宮さんは眼鏡を外した。
そうすると、ガラッとイメージが変わる。
かなりおとなしそうな印象から、先ほどまでの会話通りの活気のありそうな印象へと。
眼鏡ひとつでここまで変わるんだなぁと感心する一方、彼女の姿に見覚えのあるような気が湧いて出てきた。
「ん、なに? 間違ってる?」
「ううん、大丈夫」
結局、わたしは雨宮さんの向かいに座布団を置いて勉強姿を眺めることにした。基本的には机の方を一緒に見て、たまに彼女の顔を見るを繰り返す。
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