228: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/20(月) 12:02:05.69 ID:ClJgpcB/0
気を良くした乙葉先輩はすべての部活にご飯奢りを掛けた試合を申し込もうとしてたところを、生徒会役員全員で止めた─────はずだったが、これはどういうこと?
側からは進んで喧嘩を売っているように見える。
「新庄、お前は長距離だったな」
「いや、そうだけど、流石にキツイだろ。1対1で単純なタイム争いは。せめて十人でリレーとかあるだろ?」
「生憎、中途半端な奴を入れる気は無い。こっちは私と天音の二人だ。そっちはお前と一年の女子生徒を出せ。距離は400メートルと600メートルだ」
「なるほど、わかった。それで決まりだ。文句は言うなよ?」
ひとまず話はまとまったようだ。
わたしとユキ先輩は体操着に着替えるため更衣室へと向かう。その道中、ルール決めの真意について問う。
「どうして400と600なんですか?」
「単純にグラウンド一周が400だからだ。400と400でも良かったが、どうせなら1キロちょうどにしたいと思ってな」
この話題はそれほど盛り上がることなく、ただ単にこのグラウンドが400メールであることを知るだけとなった。
思いがけず休日に道場破り対決となってしまったが、ユキ先輩と乙葉先輩が喜んでくれれば文句はない。それにわたしも奢りでご飯を食べられるというのは胸躍る権利だ。ご飯のためにも頑張ろう。
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