181: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/16(木) 08:39:19.97 ID:DpbNaL2rO
【>>179
1. 「たまたま席が近くて、入学式の日にわたしが話した初めてのクラスメイトだったから」 】
彼女が極度の人見知りでクラスに馴染みにくそうだったため、わたしが橋渡し的な役割を担おうという本質的な部分が第一に思い浮かぶ。
ただ、それは彼女からしてみれば余計なお世話かもしれないし、言葉を間違えばわたしが偽善者として映ってしまうのは避けられない。
そのため第二に思いつく運命的な出会いの旨を話すことにする。
「たまたま席が近くて、入学式の日にわたしが話した初めてのクラスメイトだったから、かな」
クラス内が自己紹介をしようと話している中、彼女が気分を悪そうにして教室を出て行く姿は記憶に新しい。席が近くなければ彼女の顔色は伺えなかったし、結果として彼女が駆け込んだトイレで数言交わすこともなかった。
「ぁ……そう、なんですね。すみません変なこと聞いてしまって。他意は無いんです。春宮さんが良い人ってことは分かっていますから」
「良い人って言われると少し照れるけど、ありがとう。そう言って貰えると嬉しいよ」
疑惑が晴れたためか、その後は純真な目をして色々なことを話すことが出来た。
好きなこと、好きな食べ物飲み物、春夏秋冬でどれが好きか、誕生日について。
他愛のない話。ほんの雑談程度の話。
それでも彼女は、わたしに心を開いてくれた。
この調子で席の周りの子と話せるように調整できれば、今月中には人見知りも多少緩和されるだろう。
彼女が半歩ずつでも前進できることを隣で、あるいは後ろの席からサポートしていきたいと思う。
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