134: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/11(土) 22:26:52.58 ID:h1bofGth0
【>>133
0:午後の授業へ(プール)】
午後一の授業は体育。プールだった。
昼休み後半に移動を開始して、更衣室で学校指定の水着に着替える。
男子はほぼ全員が参加、女子はおよそ半分が見学という選択をした。先生はそれについて全く触れず、ただただ名簿に見学のチェックを付けるだけだった。特に水泳では顕著に現れそうな教員としての配慮か、あるいは放任主義か。
授業開始のチャイムが鳴る少し前のプールサイドへ到着すると、そこには五十メートルプールがあった。
「わ〜! すごいね〜!」
一年Dクラスが発足されてから早三日目。人を率いていく人物として頭角を表し始めた生徒が何人か居る。
その内の一人、宮野真依が感心したように言う。
彼女は幼い頃から水泳を習っていると、先ほど聞こえてきた。それは女性ながらにしても筋肉の付き方を見れば、なんとなく真実であることは分かる。
やけに男子の視線を感じながらも、先生の号令に従い改めて出欠を取る。
「────と、まぁ見学者が多いようだが、構わないだろう。さて早速だが、準備体操をしたら泳いでもらう。泳げない生徒もだ」
「えー!」と至るところから声があがる。
「安心しろ。俺が担当になったからには、絶対に泳げるようになる。この道二十年、俺が担当したクラスの生徒で誰一人泳げないまま卒業していった生徒はいない」
とてつもなく頼もしい発言だった。
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