117: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/10(金) 21:09:12.80 ID:i4SyU8OG0
「うん、ありがとう。じゃあ早速、これからでも大丈夫かな? 一回、寮に戻った方がいい?」
「できればこのまま、でもよろしいですか?」
「もちろんだよ。そっちの方が楽だからね」
わたしは軽い鞄を持ち、早見さんと歩き出す。
早くも周囲ではグループが出来始めている。
高校生活最初の一週間が卒業までの三年間を左右すると言っても過言ではない。出来るだけ正攻法で彼女の心の壁を取り除く、あるいは心に刺さった針を抜かなければ手遅れになることは容易に想像がつく。
それにしても、本当にすんなりと快諾してくれた。
極度の人見知りというのは、わたしの思い込みだったのだろうか。それとも、他人すべてに怯えているわけではないのか。
それは、そう遠くない未来に分かることだろう。
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