109: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/10(金) 07:45:08.98 ID:DUud2CeQ0
【>>108
2:「春宮、少しいいか」】
午後の授業も授業方針に関する説明で終わった。
やや退屈だと感じながらも、タブレットを用いた授業には興味がある。明日以降の授業を楽しみにしながら迎えた帰りのホームルーム。
先生からはほんの数言だけ、簡潔に締め括られる。
「それではこの後、あそこでアレをするみたいなので、ご興味がある方は行かれてみてはいかがでしょうか。それじゃあ今日は終わります。おつかれさまでしたー。さようならー」
朝のホームルームを聞き逃していれば、今の発言の内容を一切理解することができなかっただろう。
適当な先生だなぁ。そんなことを思いながら帰り支度────ほぼ使用しなかったノートを詰めるだけの作業────をして、席を立ち上がろうとしたとき、
「春宮、少しいいか」
隣の席の男の子からそう話しかけられる。
確か名前は一之宮重孝。
黒髪の短髪に眼鏡、知的な印象の男子生徒だ。
生活態度そのものはかなり真面目で、昨日のポイント配布時や今朝のホームルームでは静観を貫き、今朝わたしが登校すると彼は一人で自習をしていた。
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