【安価】ようこそ実力主義の教室へ
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107: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/09(木) 23:41:45.29 ID:Sjq7SYBPO
 それからは頭を切り替え、自分が何を食べたいのかを探る。日替わりランチの中も数種類あり、なかなか決め手に欠ける。ここはいっそのこと前に並んだ人が注文したものと同じものを注文する手を考える。
 スーパーデラックスウルトラ定食を直前で注文されたときは和食の日替わりランチBにしよう。
 そう考えながら食券機に並ぶ。
 食券機は全部で三台。ほんの数十秒で自分の前の番がやってくる。さて、わたしの本日の昼食は、っと。

「……」

 食券機の一番右下のボタン。それは『山菜定食』。
 並んでいる人を遠目に眺めていたときから薄々その存在には気付いていたが、何か裏があるんじゃないかと疑ってかかっていた。
 山菜定食は無償で食べることのできる定食。
 写真が無いため量の想像はつかないが、ひとつだけ確かなことがある。それは注文した人の雰囲気。
 どこか悲壮なオーラを漂わせた彼らは、溜め息を吐くようにして山菜定食のボタンを押していた。
 昨晩のコンビニで見つけた無償の品々、そして目の前にある無償の定食。これらから考えられることはかなり限定的となる。
 ともあれわたしの昼食は決定した。

「え、春宮さん、本当にそれ?」

「うん。なんとなくこれにしようかなって」

「……まさか春宮さんが初日でポイントを使い果たすなんて思ってなかったよ」

「違うからっ。ほんの興味本位だからね?」

 わたしが選んだのはスーパーデラックスウルトラ定食────もちろんそれではなく、山菜定食。
 それから数分後、わたしは受付で定食を受け取り、席に着く。改めて定食を眺めるが、特に不可思議なところはない。良く炒められた山菜に、決して少なくない白米とお味噌汁、そして少量の漬物。これだけあれば十分だと思わせるほど良く出来ていた。
 周りの視線はやや冷たいものだったが、わたしはポイントを消費することなくお昼を終える。
 味の感想は、リピートしたいと思えるほどだった。


【イベント安価です。
 奇数:部活動説明会
 偶数:「春宮、少しいいか」
 下1のコンマ1桁でお願いします。】


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