105: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/09(木) 23:40:40.48 ID:Sjq7SYBPO
【>>104
5:「春宮さん、食堂行かない?」】
午前中の授業が終わった。
そのすべての授業でタブレットを利用した授業の取り進め方、また先生個人の授業方針についての説明が大半を占めていて、実際の講義は明日からになりそうだった。
一部、そんな説明だけの授業が退屈だと言わんばかりに眠そうにする生徒も見受けられた。
そんなこんなで訪れたお昼休み。
わたしはお弁当を持ってきていない。
今朝コンビニに寄ってくることもできたが、せっかくなら学校の売店か学食を利用してみたいと考えていたため、あえてそうしなかった。
昨日少しだけ話をした前の席の女の子、早見さんを誘おうと思ったが机の上に手作りのお弁当を広げていた。わざわざ学食で一緒に食べようとは言い出しづらく、素早く売店で買って戻ってこようと考えた。
席を立ち、教室の扉へと向かう途中、
「あ、春宮さんも学食いくかんじ? 一緒に行こうよ」
昨日ランチをした清水さんがそう誘ってくれた。
一瞬だけ早見さんとのランチのため断ろうとも考えたが、その誘いを無下にすることは出来なかった。
付け加えると、早見さんの席を覗くともうお弁当箱を片付け始めていた。もともと量が少なかったのか、食べるスピードが早いのか。それは明日以降、一緒にお昼ご飯を食べれば分かることだろう。
「うん、行こっか」
わたしは頷き、清水さんと教室を出る。すると昨日のメンバーが一色くん以外は揃っていた。
「一色くんは他の人とランチだってさ」
「あ、そうなんだ」
どうやら一色くんが所属しているグループは幾つかあるらしく、満遍なくクラスメイトと仲良くなりたいと考えているようだ。
わたしもそうなりたいと考えながら、清水さんたちと肩を並べて食堂への道を歩む。
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