【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[saga]
2024/06/30(日) 00:19:33.95 ID:dnFcDoLu0
「最初はさ、君を選んだのはかなり打算的な理由だった」
「そうなんですか?」
「ああ。最初は”素直そうな子がいいよな”って理由で育成ウマ娘を君に決めたんだ」
「びっくりしました、流石にもっとまともな理由だと思ってました……」
まぁ、そう思うのは無理もないよな。
「……でも、本当に最初だけだった。君と話してるうちに、君の目的がしっかりと見えてきて」
「”日本一のウマ娘にならないか?”でしたよね」
「ああ。君の瞳にはどこまでも熱がこもってて。君なら勝ち抜けるっていう確信が俺にはあった」
「でも、私は負けました」
ぐ、と拳を握るスペ。その表情は何処までも暗くて。
ああ、ずっと後悔してきたんだなって一発で分かった。
分かったからこそ。俺はあの時伝えたかった言葉を。
「君のせいじゃないよ」
「トレーナーさんのせいじゃ……いや、これだとずっと続いちゃいますね」
「俺は君のせいじゃないと思ってるし、君は俺のせいじゃないと思ってる」
「はい。だから……半分こにしましょう。責任も、後悔も」
スペはそういうと、小指を差し出してきた。
俺は……その小指に、自分の小指を絡めた。
すると、スペは淡く微笑んで指をゆるゆると振った。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら……そうだなぁ、ニンジン100本のーます」
「指き……100は流石に死ぬぞ」
「そうだと思います。だから、今後はトレーナーさん一人の責任だなんて死んでも思わないでくださいね?」
ぎゅ、と手を握ったスペ。そこで初めて、スペの手が震えていることに俺は気づいた。
気丈にふるまっているだけで、スペは確かに恐怖していた。何に対してか、なんて。俺にはすでに分かり切っている。
別離だ。
「スペ、安心してほしい。君を担当していたころの俺と、今の俺は違う。こうして君の記憶を呼び覚ましたのだって、今回でループを終わらせる覚悟があったからだよ」
「……じゃあ、もう離れ離れにならない、ってコトですか?」
「ああ。俺の全身全霊をもって、ループの運命を壊して見せるさ」
「トレーナーさん……」
繋いだ手から伝わる震えは、小さくなっていた。
「……歯が浮くような言葉、言えるようになったんですね」
「うるさいわい」
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