【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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656: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2024/06/28(金) 19:28:14.03 ID:ppyp0opk0

 きょとん、と。スペシャルウィークは首を傾げる。


「午後ですよ、今――っ!」


 次の瞬間、スペシャルウィークは頭を押さえてのけぞる。このままでは地面に倒れ込んでしまう……!

 とっさに俺は彼女を抱きとめる。その間もスペシャルウィークは眉間にしわをよせて、歯を噛みしめて痛みに耐えている。


「とれ、な、さん……私……!」

「大丈夫。大丈夫だ。俺がそばにいる」

「……あは、うれ、しい、です」


 にへら、と精一杯の笑みを浮かべて見せるスペシャルウィークに、俺はただ頭を撫で続けることしか出来なかった。







「だ、だいぶ収まりました……」

「……俺が言うのもなんだが、大丈夫か?」

「ちょっと体がけだるいんですけど……ただ、気分はそんなもんじゃないくらいです」


 うつむいたスペシャルウィークの表情は、俺には見えない。

 声音でうかがい知れる感情も、俺自身の動揺もあってわからない。

 ……もしかして、待たせてしまったことに何か思うところがあるのだろうか。

 いや、思うところはあるはずだ。なにせ……彼女は一生俺と出会うことはなかったのだから。


「その、迎えに行けなくて、すまなかった……」

「……」

「怒ってる、よな? どんな言葉を吐かれても仕方がないことをしたと思う……」

「……はい」

「許せなんて言わない、ただ――」

「――く、んふふ、あはは!」


 突然、噴き出すように笑い始めたスペシャルウィーク。俺は驚いて手を放すが、スペシャルウィークはその手をしっかりとつかんできて。

 そのまま、背後の木へと追いやられた。何を――と思って見れば、スペシャルウィークはわずかな逡巡ののち、掴んだ手を自身の頭へと置いた。


「そんな慌てたトレーナーさんを見るのは、初めてだべ……」

「……そう、だったか?」

「はい! 前は全然オトナ〜って感じで、落ち着いていてカッコ良いな〜ってイメージだったので、余計に」

「新鮮だった?」

「はい……!」


 くすりくすりと、鈴を転がしたように笑うスペシャルウィーク。その間も、スペシャルウィークは俺の手を放そうとはしなかった。


「トレーナーさん、私、私、ずっと言って欲しかったことがあるんです」

「言って欲しかったこと?」

「はい! メイクデビューのとき、かけてほしかった言葉があるんです。何かわかりますか?」

「……当然だ」


 俺は、君の味方なのだから。


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