【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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516: ◆FaqptSLluw[saga]
2022/02/04(金) 02:37:39.20 ID:FsolJFE70

「なるほどな、事情は把握したぜ」
「本当に……?」


 知恵の輪をいじりながら、ゴールドシップは俺の言葉に頷いた。


「要は、本人の気質と脚質がうまく噛み合ってないってことだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……」


 以前から感じていた、リョテイの脚質と本人の気質の合わなさ。

 素晴らしい資質を持っているのに、それを活かし切れていない。

 それを導ききれないのはトレーナーとして恥ずかしく思うが、餅は餅屋。

 追込をメインの脚質とするゴールドシップであれば、教師役としてこれ以上の存在はいない。

 とはいえ、奇人変人のカテゴリに間違いなく、確実に、もうこれ以上ない好例としてロックインされるのがゴールドシップというウマ娘で。


「――とはいえ、だ」


 ふと、ゴールドシップが解いた知恵の輪を机上において、こちらをしっかりと見据えた。

 オパールの瞳が一瞬優しげな色を帯び、ゴールドシップは小さく微笑んだ。


「後輩が困ってんだ。ここは先輩の肌の脱ぎどころってヤツだろ」
「ゴールドシップ……」


 ……奇行が目立つゴールドシップだが、彼女はある程度計算して動いている節がある。

 時折見せる表情が違ったり、ふとした拍子に零れる言葉が、彼女の真実は表面にはないことを物語っていた。

 そして、この表情こそが、彼女の真実の一つなのだろう。俺は何故かそう確信した。


「アンタがどんな心配をしてるか、ゴルシちゃんにはマルっとお見通しだぜ?」
「……ありがとう」
「おおっと、礼を言われるにはまだ早い。行動には対価というものが伴うってテレビで言ってなかったか?」


 また組み直した知恵の輪を机の上に戻しながら、ゴールドシップは僅かにほほ笑む。


「見事改善出来たら、ゴルシちゃん無二の相棒を取り戻す手伝いをしてくれ!」
「……無二の相棒? 取り戻す?」
「ああ! アイツはゴルシちゃん無二の相棒だ……。ターフを駆ける時も、健やかなるときも病める時も、タイ漁でオケラだったときも、いつも一緒だった……」


 四六時中共に居たらしい。では、それは何なのか……。

 悲しそうに、あるいは大仰に哀しんで見せたゴールドシップの視線の先には、窓。

 いや、その先にある中庭だろうか。そこに何かの黒い残骸が見える。

 これは、ひょっとして――。


「セグウェイ?」
「ゴルシちゃん号だ」


 何処から突っ込めばいいのかわからない。

 だが、とりあえず……一つ言えることがあるとするなら。


「機械なんだから海に持っていくなよ……」


 錆びて動かなくなるぞ。


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